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美容師しかしたことが無く、学歴のない自分が
”サラリーマン”になるなんて思ってもみなかった。
毎日同じスーツを着て、毎日同じ電車に揺られて
毎日同じ所に出勤して、毎日同じ仕事をこなす。
高校生の頃、電車の中で見た大人の”死んだような顔”を見ては
あんな大人になりたくない。
俺は毎日やりがいと生きがいに満ち溢れてて、
充実した人生を送る大人になるんや。
死んだみたいな顔した大人にはならん。
そんな『大人』に誰よりもなりたくなかったはずなのに。。。
入社後しばらくは畑違いの職種と言う事もあって、
真新しさや、覚えることの楽しさに気も紛れ、
着慣れないスーツも履き慣れない革靴も、
持ち慣れないビジネスバックも…
“普通”に慣れそうだった。
元妻が求める”普通”になれそうだった。
それが、僕の求める幸せだと思い込んでたから。
ハサミを置き、美容師として生きる道を断った自分には、
自分の意志とは関係無く、元妻の求める働き方、子供が幸せになる生き方をしなければ…する事が幸せやと思い込んでた。
それで、妻と子供を幸せにできると信じてた。
そうして、自分らしさは、どんどんどんどん失われ、
いつの間にか、【なりたくなかった大人】になってしまってた。
この頃には”自分らしさ”がなんなのかも分からなくなってた。
“それ”が当たり前になりつつある日々を過ごしながら、
美容師時代よりも多い給料、確約された休日、
格段に増えた家族との時間。
周りから見れば、何不自由なくサラリーマンをやれてるように見えてたかもしれません。
でも、それらに僕自身は何一つとして満足はしてなかった。
なぜなら、【やりがい】が無かったから。
今思えば、モチベーションや、ヤル気なんて目に見えないものは、自分でなんとでもできるはずの事ですら、環境や誰かのせいにして逃げてた。
そんな、僕に
転機が訪れました。
美容師さん達と外側から接する機会が多くなり、ある美容師さんとの出会いが、大きく運命を変えることになりました。
転職後の初めての夏。
掲載していただいてる広告のフォローとご挨拶を兼ねて伺った
ある店舗にお勤めの美容師さんとの出会いが、僕に衝撃を与える事になりました。
その美容師さんは、僕よりも2歳年下で、
当時、お勤めだった店舗では副店長を、
社内では、広報担当としてご活躍されてる美容師さんでした。
その美容師さんに会うたび
めちゃくちゃ嫉妬しました。
なぜなら、彼の活躍そのものが、僕の目指していた美容師像そのものだったから。
店舗では役職につき、ITを駆使した広告戦略に携わり、社内での信頼も厚い。
対して、僕はと言うと…
美容師を諦めさせられた未練タラタラな半端なサラリーマン。
そんな、彼のような美容師を目指していた僕には、その出会いを恨みたくなるほどの衝撃でした。
歳も近く、ネットリテラシーも高く、こちらの情報を参考にしてくれ、
お勤めの会社との商談がまとまりかけ、会う機会も増え、密に連絡をとる機会も増え、
話をすればするほど、彼の人柄の良さに感化されるだけでなく、
ふつふつと自分自身に
このままでいいんか?
と自問自答する日々の始まり。
少しづつ、少しづつ…
消化しきれない未練が膨れ上がって、とうとう抑えきれなくなっていきました。
続きは次回。
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